出典:上村英明『知っていますか?アイヌ民族一問一答 新版』(解放出版社)のP45-46
一八七一年の戸籍法によって「平民」籍へのアイヌ民族の編入がはじまると、それと同時に進められたのはアイヌ民族の皇民化です。江戸時代と違って、これには法的な強制が伴っていたため「強制同化政策」といわれます。たとえば、アイヌ民族は、死者が出ると形見の品や生活に利用しなくなった家を燃やして死後の世界に送る伝統をもっていましたが、同年、この自家焼却や女性の入れ墨、男性の耳輪などアイヌ民族の文化や伝統が禁止され、日本語の習得が強く通達されました。さらに、創氏改姓が強要されるようになり、また、翌七二年、イヨマンテの禁止もはじまりました。当時開拓使は、アイヌの民族文化の禁止に「洗除」という言葉を使っていますが、これは、今日問題となっている「エスニック・クレンジング(民族浄化)」と同じです。
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