日本はアイヌ民族に何をしたか
- The Ainu Genocide by Japan -



当サイトについて


アイヌ民族の民族旗
1973年にアイヌ彫刻家の故・砂澤ビッキ氏が作成

その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は、真に自然の寵児、なんという幸福な人だちであったでしょう。

冬の陸には林野をおおう深雪を蹴って、天地を凍らす寒気を物ともせず山又山をふみ越えて熊を狩り、夏の海には涼風泳ぐみどりの波、白い鴎の歌を友に木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁り、花咲く春は軟らかな陽の光を浴びて、永久に囀(さえ)ずる小鳥と共に歌い暮して蕗(ふき)とり蓬(よもぎ)摘み、紅葉の秋は野分に穂揃うすすきをわけて、宵まで鮭とる篝(かがり)も消え、谷間に友呼ぶ鹿の音を外に、円(まど)かな月に夢を結ぶ。嗚呼なんという楽しい生活でしょう。平和の境、それも今は昔、夢は破れて幾十年、この地は急速な変転をなし、山野は村に、村は町にと次第々々に開けてゆく。

太古ながらの自然の姿も何時の間にか影薄れて、野辺に山辺に嬉々として暮していた多くの民の行方も亦いずこ。僅かに残る私たち同族は、進みゆく世のさまにただ驚きの眼をみはるばかり。しかもその眼からは一挙一動宗教的感念に支配されていた昔の人の美しい魂の輝きは失われて、不安に充ち不平に燃え、鈍りくらんで行手も見わかず、よその御慈悲にすがらねばならぬ、あさましい姿、おお亡びゆくもの……それは今の私たちの名、なんという悲しい名前を私たちは持っているのでしょう。

その昔、幸福な私たちの先祖は、自分のこの郷土が末にこうした惨めなありさまに変ろうなどとは、露ほども想像し得なかったのでありましょう。

知里幸恵『アイヌ神謡集』魚拓)の「序」より



当サイトは「西蔵資料館 〜チベットの本当の歴史〜」に付属するサブサイトです。

当サイトは、これまで長い間、日本および日本人(和人)が隠し、抹消してきたアイヌ民族への迫害の歴史を少しでも明らかにし、今なお日本に踏みにじられ続けているアイヌ民族の方々の尊厳を守りたい、という善意から生まれました。公人によるアイヌ民族へのヘイトスピーチとして大問題になった日本の右翼政治家・金子快之によるアイヌ民族否定発言から3周年を迎えた2017年8月11日に、同発言への抗議の意味も兼ねて公開開始。

右翼勢力に限らず多くの日本人は中国政府のチベット統治を悪魔化して捉えますが、では日本はアイヌ民族をどのように支配してきたのか、その歴史的事実を明らかにしていきたいと思います。ここで端的に言えば、近代以降にアジアで猛威をふるった日本帝国主義の最初の犠牲者、それがアイヌ民族なのです。

現在、日本の右翼勢力が「アイヌ民族なんていない」とか「日本がアイヌを迫害した歴史はなかった」などとする、いわゆるアイヌ民族否定論を盛んに唱えています。これはいわば、アイヌ民族の存在を抹殺する「言論による民族浄化」であると言えます。現在の日本でもアイヌ民族へのジェノサイドは形を変えて続けられているのです。

ちなみにここで、アイヌ民族否定論のどこがどう嘘なのかが気になった方には『アイヌ民族否定論に抗する』(河出書房新社)という本の一読をおすすめします。同書は例えばP128では、「アイヌは自己申告制であり、誰でもアイヌになることができる(ゆえに今いる自称アイヌは利権目当ての和人や在日朝鮮人による成り済ましだ)」という否定論に対して、アイヌ近現代思想史研究者のマーク・ウィンチェスター氏が、
アイヌには非アイヌ日本人が必要とするような政策は設けられていない。改製原戸籍などをもって入会資格を設けている公益社団法人北海道アイヌ協会の会員のほかに、北海道旧土人保護法の対象になった人の子孫であるということを知って、または戸籍に記された「土人」「旧土人」などといった文字や先祖のアイヌ語の名前、先祖の写真から自分にはシャモとは異なる歴史が流れているのだと意識している人が大勢いるということから、「アイヌは自己申告制」とはとうてい言えない。これはデマにすぎない。
…と、公的にアイヌとして認められるためには物的証拠が必要である旨を指摘してバッサリと斬り捨てるなど、なかなかの良書です。

そんな日本のアイヌ問題の実情を暴いていくのが、当サイトのミッションです。初めての方は、まず「アイヌ民族とは何か」をお読みください。

Free Ainu! Free Loochoo! アイヌに自由を!琉球に自由を!

2021年2月24日更新
  • 「忍者アナライズ」のサービス終了に伴い、各ページに埋め込むアクセス解析ツールを「忍者アクセス解析」に移行。


  • 2018年8月27日更新
  • 戦前の日本では北海道は植民地として扱われていた」に1912年の拓殖博覧会でも北海道が植民地として扱われていたことについて加筆。


  • 2018年6月1日更新
  • 現代日本におけるアイヌ語は消滅危機言語」の「アイヌ語が消滅危機にあることは日本の文化庁も認めている」に掲載した元記事が更新されていたため、当サイトにも最新の内容を反映。


  • 2018年3月28日更新
  • トップページの「アイヌ民族・琉球民族関連サイト集」の節に「Osprey Fuan Club (オスプレイ不安クラブ)」およびその関連サイトのリンクを追加。


  • 2017年12月18日更新
  • 世界各国の先住民族への公式謝罪」に2017年のカナダと2000年の米国における先住民族への謝罪の事例を加筆。
  • トップページの「アイヌ民族・琉球民族関連サイト集」の節に『アコロコタン』と『これだけは知っておきたい 沖縄フェイク(偽)の見破り方』に関する情報を追加。


  • 2017年11月6日更新
  • 戦前の日本では北海道は植民地として扱われていた」に北海道庁が戦前の北海道を植民地と認めていることについて加筆。
  • トップページの「アイヌ民族・琉球民族関連サイト集」の節に「琉球語」と「「沖縄でデモをしているのは誰なのか。以下の画像を見れば自明であろう」にツッコミ殺到」のリンクを追加。


  • 2017年8月11日更新
  • ウェブサイト「日本はアイヌ民族に何をしたか」開設。



  • 公開開始日:2017年08月11日
    最終更新日:2021年08月25日




    コンテンツ
    1. 松浦武四郎が記録した日本によるアイヌ大虐殺
    2. 人口推移にみる日本のアイヌモシリへの人口侵略
    3. 戦前の日本では北海道は植民地として扱われていた
    4. 日本のアイヌ同化政策は文化的ジェノサイド
    5. 現代日本におけるアイヌ語は消滅危機言語
    6. 現代においても残り続ける日本のアイヌ差別
    7. 世界各国の先住民族への公式謝罪
    8. その他の議題
    9. アイヌ民族・琉球民族関連サイト集



    1. 松浦武四郎が記録した日本によるアイヌ大虐殺


    三重県出身の幕末の探検家であり、後に開拓使の長官・次官に次ぐ開拓判官という役職に登用されて「北海道」という地名の名付け親にもなった松浦武四郎(まつうら たけしろう、1818 - 1888)が残した記録は、日本によるアイヌ民族への迫害の歴史の一部を暴露してくれる第一級の史料として貴重である。

    松浦の記録は、当時、松前藩の虐政のもとで和人(日本人)が多くのアイヌ民族を強制連行し、強制労働をさせ、奴隷にし、強姦し、性病を含む病気を広め、虐殺していた歴史的事実を明らかにしている。これらの残虐行為の結果、多くのアイヌ民族が平和な家庭と生活環境を破壊され、子供を産めないようにされ、無残に命を落とし、人口がぐんぐん減っていった。
    「知床日誌」 松浦武四郎

    幕末の探検家・松浦武四郎の手記によると、アイヌ女性は年頃になるとクナシリに遣られ、そこで和人達の慰み物になり、人妻は会所で番人達の妾にされたと書かれている。夫は漁場で酷使され、妻は番屋で慰み女とされ、子供が出来た場合、和人達はそれを突き殺し、押し殺す

    日本へ反発できなくなった大きな理由に人口減少がありますが、その大きな原因は、女達が日本人の慰み者にされたこと、性病を含む伝染病を移されたこと、生活基盤を失わされたこと、などがあげられます

    松浦武四郎によると、夫婦は仲を引き裂かれ、男だけクナシリ送りとなり、そこで昼夜の別なく奴隷労働に使役され、斜里、網走では、女は年頃(16・7)になるとクナシリ(この当時、現地のアイヌは酷使によって全滅していた)に連行されて、諸国からきている和人に体を弄ばれる。男も年頃になると連行され、働ける間は遠い土地で酷使され、故郷に帰ることが許されるころには既に老人となっており子供を残すことができなくなった

    和人によって妊娠させられた妻は、唐辛子汁を飲ませる等で堕胎させられることにより、子供を残せない体にされた。さらに和人に性病を移されることなども手伝い、クナシリ・メナシ地方のアイヌ人口は激減した

    松浦によると無理やり妾にされた挙げ句に性病をうつされ、顔が崩れて悪臭を放っているアイヌが山にたくさん居たとある。
    これは松浦武四郎の著書『知床日誌』のうちの、日本によるアイヌ民族への残虐行為についての記述箇所を短くわかりやすく要約したものである。



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    2. 人口推移にみる日本のアイヌモシリへの人口侵略


    アイヌ民族および北海道の人口推移
    北海道のアイヌ民族人口 北海道の総人口 北海道総人口に占める
    アイヌ民族の割合
    1807年 2万6256人 *1 3万1353人 *2 83.7%
    1822年 2万3563人 *1 - -
    1854年 1万7810人 *1 - -
    1873年 1万6272人 *1 12万1310人 *2 13.4%
    1903年 1万7783人 *1 107万7280人 *2 1.65%
    1931年 1万5969人 *1 274万6042人 *2 0.58%
     
    1993年 2万3830人 *1 566万9137人 *2 0.42%
    出典
    *1:アイヌ民族博物館提示の人口統計
    *2:北海道提示の人口統計魚拓)。

    ■この人口推移データからわかること

    見ての通り、北海道における和人の人口は明治時代以降、モリモリと急増し続けているのに対し、アイヌ民族の人口は日本が第二次世界大戦に敗戦して民主化されるまでは著しい減少を続けていた。

    現在は「北海道」と呼ばれているアイヌモシリは元々アイヌ民族の郷土であり、1807年当時は総人口の8割がアイヌ民族であった。それが明治時代に完全に日本の植民地とされてからは状況が急変する。

    数百万人もの和人が「開拓」のためにこの地に大量に押し寄せて入植し、総人口に占めるアイヌ民族の割合が1873年には13.4%、1931年には0.58%へと激減し、この地の元の持ち主であったアイヌ民族はみるみるうちに圧倒的少数派へと貶められ、先祖代々暮らしてきたふるさとを好き勝手に喰い荒らされてしまったのである。

    よく日本人が中国人を非難する際に使う「人口侵略」とは、本来はこういうのを指すためにある言葉である。

    また、1807年に2万6256人であったアイヌ民族の人口が1931年には1万5969人へと激減し、元の人口の4割、すなわち3分の1以上が死滅している事実も注目に値する。これは現在の日本人(大和民族)の人口に置き換えて考えてみれば、全人口1億2000万人のうちの実に4800万人が死滅に追いやられたのと同じ計算になる。

    日本はそれだけ苛烈な迫害をアイヌ民族に対して繰り返してきたのである。



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    3. 戦前の日本では北海道は植民地として扱われていた


    日本の北海道支配が植民地支配であったことは、戦前の日本の公文書や新聞も認める歴史的事実である。

    以下、その代表例。



    北海道殖民地ニ於ケル道路橋梁排水工事ノ請負随意契約ノ件



    > 北海道殖民地ニ於ケル道路橋梁排水工事ノ請負随意契約ノ件

    (これは明治天皇の勅令である)



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    4. 日本のアイヌ同化政策は文化的ジェノサイド


    恵泉女学園大学大学院教授の上村英明氏はこう述べている。
    出典:上村英明『知っていますか?アイヌ民族一問一答 新版』(解放出版社)のP45-46

    一八七一年の戸籍法によって「平民」籍へのアイヌ民族の編入がはじまると、それと同時に進められたのはアイヌ民族の皇民化です。江戸時代と違って、これには法的な強制が伴っていたため「強制同化政策」といわれます。たとえば、アイヌ民族は、死者が出ると形見の品や生活に利用しなくなった家を燃やして死後の世界に送る伝統をもっていましたが、同年、この自家焼却や女性の入れ墨、男性の耳輪などアイヌ民族の文化や伝統が禁止され、日本語の習得が強く通達されました。さらに、創氏改姓が強要されるようになり、また、翌七二年、イヨマンテの禁止もはじまりました。当時開拓使は、アイヌの民族文化の禁止に「洗除」という言葉を使っていますが、これは、今日問題となっている「エスニック・クレンジング(民族浄化)」と同じです
    問題の「洗除」という言葉が使われている当時の開拓使の公文書については以下の通り。
    対アイヌ民族政策における「同化」のレトリック魚拓

    1871年開拓使はアイヌに対して,死者の家を焼いて転住する習慣や耳環・入墨を禁じて「言語」や「文字」の学習を奨励する布達を発し,続いて1876年には「従来ノ風習ヲ洗除シ教化ヲ輿シ漸次人タルノ道ニ入シメン」(河野編1981 : 49)との方針を示す。
    当時の日本の公文書曰く、アイヌ民族の「従来ノ風習ヲ洗除」せよ。これはすなわち、かつて白人がアメリカ大陸やオーストラリア大陸の先住民族に対して行った文化的ジェノサイド(民族浄化)と同じことを自らもアイヌ民族に対して行っていたことを、当時の日本国家自身が認めていた証拠に他ならない。

    こうして「洗除」されたアイヌ文化は日本において骨董品のような存在となり、アイヌ語は話し手がほとんどいなくなってユネスコから「極めて深刻」な消滅危機言語に指定されるなど、アイヌ民族のアイデンティティは今や風前の灯火となってしまったのである。



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    5. 現代日本におけるアイヌ語は消滅危機言語


    現代の日本におけるアイヌ語は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)によって「極めて深刻」な状態にある消滅危機言語に指定されている。

    日本政府がこれまでの悪政の責任を取って北海道の小中学校において義務教育でアイヌ語を教育するなどの思い切った政策を打ち出しでもしない限りにおいては、いずれ近い将来にアイヌ語が消滅することは避けられないであろう。



    消滅の危機にある言語・方言

    日本の言語・方言の中には,消滅の危機にあるものがあります。

    それには,ユネスコ(国連教育科学文化機関)が平成21年2月に発表した“Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)に掲載された8言語・方言や東日本大震災の被災地の方言が該当します。

    文化庁では,消滅の危機にある言語・方言の実態や保存・継承の取組状況に関する調査研究をはじめ保存・継承に資する様々な取組を行っています。

    “Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)には,世界で約2,500に上る言語が消滅の危機にあるとして掲載されています。日本国内では,8言語・方言が消滅の危機にあるとされており,掲載されている8言語・方言とそれぞれの危機の度合いは次のとおりです。

    【極めて深刻】: アイヌ語

    【重大な危機】: 八重山語(八重山方言),与那国語(与那国方言)

    【危険】: 八丈語(八丈方言),奄美語(奄美方言),国頭語(国頭方言),沖縄語(沖縄方言),宮古語(宮古方言)

    ※ユネスコでは「言語」と「方言」を区別せず,全て「言語」で統一しています。



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    6. 現代においても残り続ける日本のアイヌ差別


    2015年10月26日から同年11月20日にかけて、日本政府がアイヌの人々を対象に実施した
    意識調査魚拓)の結果より引用。

    ■「アイヌに対して、現在は差別や偏見があると思いますか。この中から1つだけお答えください」
    ・ あると思う 72.1%
    ・ ないと思う 19.1%
    ・ わからない 8.8%

    ■「なぜ差別や偏見があると回答しましたか。この中からいくつでもあげてください」
    ・ 漠然と差別や偏見があるイメージがある 54.7%
    ・ 家族・親族・知人・友人が差別を受けている 51.4%
    ・ アイヌが差別を受けているという具体的な話を聞いたことがある 51.2%
    ・ 経済格差や教育格差がある 45.9%
    ・ 自分が差別を受けている 36.6%
    ・ その他 10.8%
    (「あると思う」と答えた者のみ。複数回答)

    ■「どのような場面でどのような差別を受けましたか。この中からいくつでもあげてください」
    ・ 自分に対して直接的ではないが、自分がアイヌであることを知らない周囲の人がアイヌに対する差別的な発言をしているのを聞いた 62.9%
    ・ 結婚や交際のことで、相手の親族にアイヌであることを理由に反対された 57.5%
    ・ 職場で、アイヌであることを理由に不愉快な思いをさせられた 53.8%
    ・ 近所、自治会等で、アイヌであることを理由に疎外された 17.7%
    ・ 学校で、アイヌであることを理由に不愉快な思いをさせられた 1.1%
    ・ その他 14.5%
    (「自分が差別を受けている」と答えた者のみ。複数回答)

    ■「家族・親族・友人・知人が受けたのはどのような場面でどのような差別でしたか。この中からいくつでもあげてください」
    ・ 学校で、アイヌであることを理由に不愉快な思いをさせられた 62.8%
    ・ 結婚や交際のことで、相手の親族にアイヌであることを理由に反対された 56.7%
    ・ 本人に対して直接的ではないが、本人がアイヌであることを知らない周囲の人がアイヌに対する差別的な発言をしているのを聞いた 55.9%
    ・ 職場で、アイヌであることを理由に不愉快な思いをさせられた 45.6%
    ・ 近所、自治会等で、アイヌであることを理由に疎外された 12.6%
    ・ その他 10.7%
    (「家族・親族・友人・知人が差別を受けている」と答えた者のみ。複数回答)



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    7. 世界各国の先住民族への公式謝罪


    多くの日本人は「国家の過去の行いを謝罪したのは日本だけ。他の国ではあり得ないことだ」と思い込んでおり、アジア諸国はもとより国内のアイヌ民族や琉球民族に対する謝罪すらも拒否する。

    だが実際には世界各国で様々な先住民族の権利回復運動が行われており、いくつかの国や地域では政府が先住民族への過去の行いを公式に謝罪している。日本政府も一刻も早くアイヌ民族への迫害の歴史を認めて公式に謝罪すべきである。



    オーストラリア政府が先住民アボリジニに歴史的謝罪

    オーストラリアのケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相は13日、白人の入植に伴い2世紀にわたり同国先住民のアボリジニに対して行われた不当な行為について、議会で謝罪した。

    同首相は、「歴代の議会・政府の法や政策によって、われわれの仲間であるアボリジニに多大な悲しみ、苦しみ、損害を負わせたことを謝罪する」と述べた。

    今回の謝罪は同国の歴史における重要な分岐点とみなされており、その様子は主要テレビ局によって生中継され、主要都市に設置された巨大スクリーンの周りには大勢の人たちが集まった。 ...

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    カナダ首相、同化のための「寄宿学校強制入学」を先住民に謝罪

    カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相は11日、1874年に始まった同化政策の一環として、先住民15万人を寄宿学校に強制的に入学させて「深く傷つけてきた」として、先住民らに公式に謝罪した。

    首相は下院で、議員のほか先住民の指導者、インディアン全寮制学校の卒業生らを前に、「カナダ政府は、先住民を深く傷つけてきたことを心から謝罪する」と述べた。

    また、先住民の寄宿学校という考え方の根本には「先住民の文化や信仰は劣っていて適切ではない」という考えがあったと指摘した上で、「子どもたちを自分たちの家族や文化から切り離し、主要な文化に同化させるという方針は正しくなかったことをカナダ政府は認める。先住民の文化、遺産、言語を修復しがたく大きく損なったことを認める」と謝罪した。 ...

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    台湾の蔡英文総統、先住民に公式謝罪 元首として初

    台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は1日、何世紀にもわたって虐げられてきた先住民に対し、元首として初めて公式に謝罪した。

    先住民族の血を引く唯一の総統である蔡氏は、先住民社会との緊張緩和を目指す政府の取り組みの一環として、過去の不当な扱いについて調査する委員会を自ら率いる方針を明らかにしている。

    蔡総統は演説の中で「先住民が過去400年間耐え忍んできた苦しみと不平等に対し、心の底から遺憾の意を表し、政府を代表して陳謝する」と述べた。 ...

    [全文を読む]




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    8. その他の議題


  • 「北方領土」はアイヌ民族の郷土
  • 日本の歴史教科書におけるアイヌ史歪曲
  • 北海道と盗人猛々しい日本人
  • アイヌ民族関連ドキュメンタリー



  • 9. アイヌ民族・琉球民族関連サイト集


    アイヌ民族関連

    アイヌ文化振興・研究推進機構
    アイヌ文化の保護と研究を目的として設立された財団の公式サイト。様々なアイヌ文化関連情報を閲覧できるほか、「収蔵資料・蔵書」のページからは日本で出版されたアイヌ民族関連書籍(文化だけでなく歴史に関する本も)のデータの検索ができるので、アイヌ民族についての本を探している方におすすめ。
    アイヌ民族博物館
    アイヌ文化の保存と展示を行っている博物館の公式サイト。アイヌ文化について簡単に学べる。さらに詳しくアイヌ文化について学びたい方には同博物館監修の、1993年から読み継がれているロングセラー『アイヌ文化の基礎知識』(草風館)という本の一読をおすすめする。
    アイヌ民族の歴史年表魚拓
    古代から現代までのアイヌ民族の通史を網羅した年表。内容が詳細で参考になる。
    先住民族関連ニュース
    アイヌ民族以外にも世界の先住民族に関する様々なニュース記事をこまめに保存しているブログ。頻繁な更新が行われており記事数も多いので要チェック。
    アイヌ民族関連報道クリップ
    上記のブログと同様にアイヌ民族に関するニュース記事を保存するブログだが、こちらは残念ながら2014年から更新が停止している。
    アコロコタン - WEBコミックアクション
    アイヌ語講師であると同時に漫画家でもある成田英敏氏が贈る、アイヌ民族の歴史や文化をわかりやすく学べるウェブ漫画。右翼漫画家の小林よしのりらのアイヌ民族否定論が猛威をふるっている近年としては非常に貴重な漫画である。

    琉球民族・沖縄関連

    かりゆしクラブ(琉球独立党)
    琉球独立運動団体の一つ、かりゆしクラブ(琉球独立党)の公式サイト。琉球・沖縄の歴史や社会に関する資料も充実。「琉球独立運動は中国が仕組んでいる」という右翼日本人による事実無根の中傷にも徹底抗議の姿勢を表明している。
    琉球新報
    沖縄県の二大紙の一つ、琉球新報のニュースサイト。琉球・沖縄の最新ニュースが読める。異常な人々である右翼日本人から「反日新聞」との言いがかりを受けているだけあって、リベラルな論調のごくまともな新聞社である。
    沖縄タイムス
    沖縄県の二大紙の一つ、沖縄タイムスのニュースサイト。琉球・沖縄の最新ニュースが読める。琉球新報と同様に右翼日本人にとって都合の悪いリベラルな論調のごくまともな新聞社である。
    Osprey Fuan Club (オスプレイ不安クラブ)
    琉球・沖縄の政治に関する情報が非常に充実しているブログ。特に右翼日本人のトンデモ言動の記録に特化した「うようよ対策課」、沖縄戦関連に特化した「沖縄戦シリーズ」、米軍基地問題に特化した「これが沖縄の真実だ!」という別館ブログは本館以上に必読の内容である。
    琉球語
    琉球語が日本語と異なる言語であることを示す信頼性の高い資料のまとめ。アイヌ民族についても言えることであるが、異なる言語を使用するという事実一つだけを見ても、琉球民族が大和民族とは違う独自の民族であることがわかる。
    米兵による戦後沖縄の女性に対する犯罪魚拓
    これを読めばいかに在日米軍が琉球・沖縄の人々を苦しめてきたのかがよくわかる。右翼日本人はこうした在日米軍の悪事にだけは怒るどころか、逆に「米兵の犯罪率は低いから問題ない」などと間抜けな「反論」で擁護するが、そうではなくてこうした犯罪が「在日米軍特権」によりほとんど処罰されないのが最大の問題なのである。
    沖縄に関するデマのまとめ
    琉球・沖縄の米軍基地の存在を正当化したり、基地反対運動は中国の工作員の仕業であるとしたりする右翼日本人による数々の卑劣なデマに反論する記事のまとめ。「自国民」であるはずの琉球・沖縄の人々を貶める嘘八百を並べ立ててまで、かつて日本人を大量虐殺した米軍なんぞを擁護する右翼日本人こそが、真の「売国奴」である。2017年に出版された『これだけは知っておきたい 沖縄フェイク(偽)の見破り方』(高文研)という本もあわせて読みたい。
    「沖縄でデモをしているのは誰なのか。以下の画像を見れば自明であろう」にツッコミ殺到
    「琉球独立工作機関 中国共産党 友の会」なる、あからさますぎる稚拙な成り済ましで琉球・沖縄の米軍基地反対運動を中国が仕組んでいるものに見せかけるネトウヨの工作モドキを、なんと日本の公安調査庁とネットニュースサイトが大真面目に取り上げた件についてのまとめ。記事末尾にある琉球・沖縄の政治についての関連記事一覧にも要注目。